2014年10月07日

ワンタン麺

タイのクイティオはあっさりしていて美味しいが、よく味わってみるとスープにコクがないことに気づく。日本のラーメンのようにダシにこだわっていないからだ。コクのあるスープを提供する店は少ないが、チェンマイに美味しい店がないことはない。チャンクラン通りにある、言葉は悪いが小汚い店であるが、この店のスープはコクがる。

店のメニューである。
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「キヨウ」というのがワンタンである。ワンタンメンの大盛り(ピセ)が50バーツ、一般の店よりも高め。

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これは「バーミー・キヨウ」といい、バーミーの麺とワンタン、肉団子のような肉や臓物が入っている。

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2014年02月07日

マズイ!

タイ人の知り合いの方からプレゼントをもらった。どうやら下痢を頻繁に起こす虚弱体質の小生を気づかってくれたようである。それは健康補助食品のようなもので、タイ人の間では『チキンエッセンス』として知られている。

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スーパーやコンビニに普通に売られているものなので、何かしら見たことがあるが、いままで挑戦したことがなかった。いや、挑戦する気も起きなかったというのが正直なところだろう。所詮、『鶏肉のエッセンス』である。「そんなもの食べりゃあいいじゃないか」と思ってしまう。

これと似たパッケージで、『ツバメの巣』というのもあるが、あれは何度か食べたことがある。甘いゼリーのようなもので食べやすく、食べやすいからか知らないが、特にその滋養効果が感じられなかった。

で『チキンエッセンス』、ご縁のない食品だったが、もらったからには食べないわけにはいかない。箱を開封してビンを取り出し、ビンの中に入っている黒い液体をつくづくと見つめると、なんだか薄気味悪さを感じる。黒い液体はあくまでもエッセンスであって、スープではないようである。じゃあ、エッセンスって何なんだ?

「イヤだなあ」
これが見た印象である。
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蓋を開封しようとしたが、頑丈に閉じられていて開かなかった。こういうところがタイの製品らしい。日本の製品だったらこういうところは細かい配慮がされていて、簡単に開くようにできているのに。

サバイバルナイフをビンの隙間に押入れ、格闘すること数分。蓋から「プシュー」と音がして、少し開きかけたのだが、それでも蓋全体が開かない。そんな格闘を続けているうちに、蓋の隙間から黒い液体が漏れ出てきた。

「ウオオ!」
漏れ出た液体が手につき、小生はしかめっ面になった。
なぜしかめっ面になったかというと、その臭いである。
「クサい!」
なんとも嫌な臭い。
悪夢に出てきそうな臭いである。人間が喉に通せるようなものではない。速攻で手を洗った。それでも臭いの痕跡が残っていたから、石鹸で洗った。

「ううん、どうしよう」
蓋が半開きのまま考えた。手についただけでこれだけ不快感を催すものを飲めるとは思えない。このまま捨てようかとも考えたが、一応味見だけしないことには「くれた人」に悪い気がする。

蓋の間に、またサバイバルナイフを差し込んで格闘し、ようやく蓋が開いた。
「ああ、開いたか・・・・」
開いても心が重かった。この臭いである。この臭いをどう表現すればいいのだろう。
嗅いだことがない臭いかと問われれば、どこかで嗅いだことがある気がする、と答えるだろうが、どこで嗅いだ臭いか思い出せない。とにかく嫌な悪臭である。この臭いを枕に沁みこませられたら、罰ゲームを越えて、拷問になるだろう。冗談では済まされない。

臭いが手についただけで右往左往するような液体、まったく飲める気がしなかったが、とりあえず、スプーンにちょっと移して、口に含んでみた。
「ウエエエ」
とにかく臭いがすごくてダメである。これを飲み込んでゲップをしたら、何度でも悪夢が蘇ってくる。

小生は決して食べ物を粗末にするほうではない。いや、腐っていようが、古くなろうが、残さず食べる方である。食わず嫌いなものは特になく、何でも食べてみるほうである。もっと言えば、どんなにマズイ漢方薬も平気で飲み干すことができる。そんな小生が、この「チキンエキス」だけは口にすることができなかった。

完敗である。

「南無三・・・・」
洗面台にジャーっと捨てた。臭いの痕跡が残らないように、すぐに洗面台を水で洗い流した。

ある意味新鮮な体験だった。手も足も出ないとはこのことである。こんなものをタイ人は飲めるのであろうか。これだけ市場に出回っているということは、やはり普通に飲むのであろう。悪趣味というより、スゴイ。

あらゆる世界の珍味を食べたい好事家の人は是非試してみて欲しい。これを飲める人はウ○コでも食べれるだろう。

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2012年08月13日

蒸し魚

大和民族はお魚が大好きである。日本の箸は中国の箸とは違い、魚の小骨を取るために先端が細くなっていると何かの本で読んだことがある。

ニッポンの魚の料理法はさまざま、焼く、揚げる、煮る、生のまま、実に多彩である。
そんな食いしん坊の大和民族が見過ごしている調理法、それは蒸す”ではないだろうか。「日本料理には茶碗蒸しがあるではないか」と反論されそうだが、魚料理にはいかされていない。タイ料理はなんにしても大雑把、大味であり、魚もざっくり揚げてしまう場合が多いが、蒸し魚という繊細な料理法も頻繁に見かける。

そんな蒸し魚、なぜ日本では発達しなかったのだろうと不思議に思えるほど美味しい。しかし蒸し魚は、一般的に値が張るということもあって、市場では買ったことがなかった。そんなときチェンマイゲート市場に、『一匹30バーツ』と値段を堂々と公表して売られている新しい露天を発見した。
「30バーツとは安いじゃないか」
ワシは興味深げに蒸し魚をジロジロと眺めた。大きさは少々小さめだが、野菜と一緒に蒸されていてなかなか美味しそうである。魚の臭みを消すために、腹の中に臭み消しの葉っぱが詰まっている細やかな心づかいがうれしい。いやあ、この蒸し魚は値打ちがある。
「合格点じゃ!」
値段をよくよく聞いてみると、大が35Bで、小が30Bとのこと。一匹30Bは安い方の値段で、高い方は値段を隠蔽されていた。なかなかの策士である。これぐらいできないと商売人にはなれないようだ。しかし小の30Bといっても、大の35Bとさほど大きさに違いが見られないので、それはまあご愛嬌として、小を購入してみた。緑色のタレも一緒に袋に入れてくれた。
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早速、食べてみた。
一口食べて驚いた。ウマさにではなく、辛さにである。最近辛いものからすっかり遠ざかっていたせいか、辛いものに舌先が敏感に反応する。緑色のタレは酸っぱ辛く、それはそれでいいアクセントになるのだが、なんせ口の中が火事になるので冷静には食べられない。頭皮から汗が噴出してきそうである。緑色のタレをやめ、醤油とお酢で簡単なポン酢を作ってそれをつけて食べてみた。

白身に生臭さがなくあっさりしている。ウマイぞ。何の魚だろうか? ウナギでもマグロでもないことはわかるが、他の魚の名前はほとんど知らないのでお伝えできない。チェンマイには海の魚はいないはずなので淡水の魚だと思うが、骨が異様に頑丈で鋭く、まるで海の魚のようである。うかつに骨が口の中に入ると、容赦なく歯茎に突き刺さる。

そんな未知なる魚であるが、味は前述したようにデリシャスである。
―――ん〜、これは値打ちがある。これで30バーツとは。
ワシは感慨深げに舌鼓を打った。

蒸し魚、これはおすすめである。

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2012年07月30日

スネークスキンフルーツ PART2

スネークスキンフルーツをまじまじと眺めて思った。スネークスキンというよりも、リアルなアルマジロスキンではないか。茶色い表皮をなでると細かい棘がありチクチクする。皮を剥くのは簡単で、ナイフを使わずとも指先でつまんで剥ける。ムクというかハグ。普通の果物の皮は水分で湿っているが、このスネークスキンフルーツは蛇の皮を名乗るだけあって、何の湿り気もなく乾燥している。この皮を剥くと、中から白褐色の実が出てくる
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白褐色の実も、触った感じでは水分がなくカサカサしている。これだけ見せられると、動物の内臓のようでグロテスクである。

スネークスキンを食べるのは本当に久しぶりである。
口の中にこの実を放り込んだ。
「おっ!」と思った。
なんら期待をしていなかったが、意外にいける。子供のころ食べた甘いチューインガムのような味がしてお茶目である。実の中にはキャラメルサイズの硬い種が入っているので、食べられる実の部分はそれほどないが、これはこれでファンキーな味である。

昔、食べたときの“渋い”という感想は何だったのか、そのことが思い出せなくなってしまった。一度食べただけで、評価を固めてしまうというのはよろしくない。

食べる部分が少ないこともあって、すぐにひとパック食べきってしまったが、皮のチクチクした棘が刺さったのか、何だか指の裏が痛い。果物は果物で、「そう簡単に動物に食べられてなるものか」と、チクチク皮で防御しているのだろう。なかなか貞操がお固い。それを考えるとバナナとは何だろう。皮が剥きやすく、実がギッチリ詰まっており、しかも種がない。そのまま食べてよし、ジュースにしてよし、お菓子にしてよし、オールマイティーの優等生である。バナナはニンゲンに食べられるために生まれてきたのだろうか?
―――話題がスネークスキンから逸れた。
スネークスキン、ナリはイカついが、味はなかなか上品なのでオススメしておこう。

おっと、言い忘れた。
皮がスネークスキンだけあって、表面からは新鮮さがさっぱり見分けられない。眼力の優れたプロは良し悪しを見ぬけられるのかもしれないが、素人さんでは無理である。腐っているのものは皮を剥くと、実が茶色く変色し、グチャグチャになって異臭を放っている。熟しているものが最高にウマイのかな?と試しに食べてみたが、「オェー」となった。腐っているものはマズくて食べられない。

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2012年07月29日

スネークスキンフルーツ PART1

タイはフルーツ大国であるがゆえ、日本ではまったく目にしないフルーツがゾロゾロと存在する。読者諸氏はこのフルーツをご存知だろうか。
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英名を『snake skin fruit:スネークスキンフルーツ』という。直訳すれば“蛇の皮”。ネーミングそのまま、茶色い薄気味悪い皮に覆われたフルーツである。

このスネークスキン君を食べるのは本当に久しぶりである。前回食べてから長〜い年月が経つ。十年以上経っているのではないだろうか。しかも、一回しか食べたことがない。そのときの記憶をたどって回想すると、スネークスキン君にはなにか不愉快な渋みがあって、「二度買う値打ちナシ――」と自分の中で判断が下されてしまっている。それからもうご無沙汰である。

そういえば、遠い日のこと、海外に初めて出てきたぐらいのときのこと、目に映るものは何事も新鮮で、初めて見る食べ物を発見すると片っ端から口に入れていった。あのころはチャレンジャーだった。しかし、海外生活が定着していくと、大人になるというか、分別がつくというか、意気地がなくなるというか、新しいものを見かけてもまったく挑戦しなくなる。このように「うわ、マズッ」というリスクを敬遠することは、よくいえば“学習能力”ともいえるわけだが、そんな学習能力のおかげで、隠されている宝石をみすみす逃してしまっている可能性もある。果たしてこんなことでいいのだろうか。

スネークスキン君にいい記憶はないが、もう一度じっくり味わってもいいのではないか?、いや、味わうべきではないのか? そんなチャレンジャー精神が突如モコモコと芽生え、購入に踏み切ったという次第である。ひとパック15バーツというお値打ち価格もよかった。
(つづく)

posted by 逍遥居士 at 06:21| Comment(2) | パワーフード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月21日

ライチ 2012 PART3

茶色くなっているライチは無事、我が陋屋に搬送された。
晩飯をさらさらと食べた後、待ちに待ったデザートタイム。ワシは一粒のライチをまじまじと観察し、丁寧に皮を剥いた。さすがにオールドライチだけあって、皮は硬くなって薄っぺらく、実からも果汁がほとばしらない。浮世にたいする興味を失った老人のように倦怠感が漂っている。
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そうはいってもライチはライチ、腐っても鯛、干からびてもライチ、三割を打てなくなってもイチロー、全盛期の味からは程遠くてもウマイことはウマイ。食べだすと手を止めることができなくなり、一心不乱に食べつづけた。皮を剥いて口に放り込み、ペッと種を出す――この単純作業をプログラム化されたロボットのごとく繰り返した。

が、時は夜である。
さすがに一キロ食べきるのはキツい。
楽しみの半分を翌朝に残し、この日の甘いひと時を終了させた。
ライチの入ったビニール袋を床に置き、就寝――。

翌朝である。
ブレークファーストに再びライチを食べようと、ライチの入ったビニール袋をテーブルに置いた。
「ん!?」
サワサワする不吉な感覚を覚えた。
「なんだ!?」
テーブルの上には小さなアリの群集が右往左往しており大騒動となっていた。
「ま、まさか!」
袋の中のライチを覗くとおびただしいアリが甘い香りを嗅ぎつけ侵入していた。なんという臭覚、なんという食欲、なんという行動力――。
ワシはアリたちに叱咤してしてやった。
「お前たちは食べること以外、ほかに考えることはないのか! 
 ・・・ん?」
その言葉はそっくりわが身にはね返って斬りつけてくる危険性を感じ、ワシはアリたちを論で諭すことをやめ、武力行使に出た。

濡れた布巾で“拭く、払う、潰す”のアリ一掃大作戦をおこなった。数分後にはアリはテーブルの上からは一掃された。すっきりしたテーブルを見つめながら考えた。
――なぜ、こんな状況になったのか? 以前はアリなんか寄ってこなかったと思うが・・・。

気分を取り直して、茶色く干からびたライチを食べようとしたら、果実の枝のつく頭の部分から果汁が滲み出していることに気がついた。
――そうか、硬化した脆弱な皮が果汁を堰き止めることできなくなって、甘い汁が外に出てきてしまったのか。それでその甘い香りに誘われてアリがはるばる遠くからやってきたというわけか。
ワシはことの真相にたどり着いた。
しかし、原因は究明できても、ライチにまとわりついたアリはすぐには立ち去ってくれない。ワシは腕にまとわりついてくるアリを払いのけながらライチを食べつづけた――。

――教訓
安いライチは一回で食べきるべし。
果汁が滲み出てアリが寄ってくる恐れあり。
しかれども、それなりに美味であり、安ければいいと言う人にはオススメするべし。

ワシはこうしてライチに関する知識をまた一つ深めた。

posted by 逍遥居士 at 01:39| Comment(2) | パワーフード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月19日

ライチ 2012 PART2

去年、ライチをたった一度だけしか食べられなかった復讐を、今年どうしても成し遂げなければならない。
――今年である。
雨季に入ってライチが市場に出回るようになった。ワシは安価なライチが市場に出てくるのを虎視眈々と狙っていた。一キロ20バーツになったら“買い”である。今年はライチ豊作の年らしい。雨もよく降り、天からの恵みは過剰ともいえる状態である。ライチの木が押しつぶされるほど丸い実がタワワになっているらしい。ムフフ、ありがたい話である。

去年の失敗から学習し、シーズンの終盤に買うのは危険であると判断した。シーズンの中ごろには購入しなければならない。というわけで、今年ワシは5月の中ごろに“初物”をいただいた。赤い皮を破ったときほとばしる果汁も、高貴な香りも健在であった。
「やはりライチ、アッパレじゃ!」
ライチのウマさに酔った。
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しかし、少々不満があった。ライチの味にではなく、値段にである。一キロ30バーツという価格に納得ができなかった。去年の一キロ100バーツに比べたら安いものであるが、ワシが狙っている価格は一キロ20バーツ。だが20バーツが出てこない。「一キロ30バーツが限界か・・・」。そんなことを考えていたとき、なんと夜市の片隅で一キロ15バーツのライチを発見した。
「ナヌ! 15バーツだって?!」
なんという安さ。価格破壊である。こんな芸当、吉野家だって、ドンキホーテーだってできやしない。ワシは目を見開いてその安売りライチを眺めた。しかし、すぐに問題に気づいた。色が茶色く変色しかけ、すでに新鮮さが失われている。オマケにライチの粒が枝から離れバラけていた。要するに賞味期限ギリギリであった。
「危うい状態だが、速攻で食べきれば問題ないぞ!」
ワシはライチを購入した。なんせ15バーツである。
「ヌハハハ、いい買い物なのだ」
笑いが止まらない。
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ワシは急いで帰路に向かった。ライチは茶色くなって重体である。緊急に処置しなければならない。こうしている間にも、ミクロの世界ではライチの果実から水分が蒸発している。ワシはカール・ルイスよりも、ウサイン・ボルトよりも、猫ひろしよりも速く走った。一刻も早く胃袋に収めるために――。
(つづく)
posted by 逍遥居士 at 02:00| Comment(3) | パワーフード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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