曰く、“冷却台”がいいとのこと。
冷却台に乗せるだけでパソコンの熱が全く変わってくるらしい。それを使っている人を見かけたことがあるので存在は知ってはいたが、そんなチャッチー冷却台なるもので、熱が冷めるものか甚だ疑問だった。
「いや、これは絶対お薦めですよ。全然違いますから」
知人は熱く推奨した。
彼は冷却台業者の営業の人ではないから、嘘をついても利益はないはず。多分、真実なのだろう。だが、勇んで「買いたい!」という気持ちにはならない。
「フ〜ン、そんなもんかのお」
ワシは空返事をした。
ある日のこと、コンピュータショップに行く機会があった。
パソコンを売る店から、付属品の店、修理する店まで、パソコン関連の店が並んでいる。
そこで例の“冷却台”を発見した。
値段は80バーツほどである。

ジーッと見ていたら、店員が出てきて、あれこれ説明してきた。ワシは相手が何を言っているのかわからないが、「フ〜ン、なるほどね」とわかったようなフリをしていたら、引くに引けなくなってしまった。
「まあいい、役に立たなくとも安いものじゃ」
そういう流れで、何となく購入してしまった。
庵に戻って早速使用してみた。
USBの差込口に繋げると、扇風機が回転して微風が送られる。なんとも頼りない感じだが、長時間使ってみてビックリした。こんなチャッチー台を置くだけで、パソコンの熱が大幅に軽減されるのだ。これで長時間使っていても、パソコンは熱中症を起こさず、“ボン”と爆発することはなさそうである。
「おお、なんという優れものじゃ!」
ワシは今まで使っていなかったことを後悔した。
しかも、小さく青く光る電気が付いており、それがチカチカ光って可愛げもあるし、USBの差込口から電気が供給されるので、電池も不要である。
なにぶん、シンプルな器具なので、すぐに壊れてしまいそうだが、タイでパソコンを長時間使用する人は買ったほうがよかろう。
これでパソコン君が熱を出して苦しむことはなくなり、寿命も大幅に伸びることだろう。
メデタシ、メデタシ。





