タイパワースポット

3月7日に日本国領事館からメールがきた。
「日本における新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の抜本的強化について」
という件名。

要するに、3月9日から3月末まで、日本入国が厳しくなるとのこと。入国拒否地域もあれば、14日間ホテルで監禁される地域もある。その宿泊費はもちろん個人払い。一日安く見繕って1万としたら、全部で１４万。14日間時間が潰れ、14万以上の出費がかさむ。ここまでして誰が日本へ来るのか。少なくとも旅行者はこないだろう。

そもそも水際対策って遅くないですか？
1月23日　中国旧正月　在中国日本大使館公式PR動画にてA首相は春節の祝辞を述べた。
「中国のみなさまが訪日されることを楽しみにしています・・・・」
1月23日といえば、もう武漢は封鎖されていた時期である。それを呑気に観光PRをしていた。その同じ口で、3月9日になって水際対策って、その間、何をしていらっしゃったのか？？

1月中に対策を講じ、2月から水際対策というのならわかるが、水際対策が3月9日からって何？　
しかも3月5日に決めて、9日から施行って、この性急な動きは何？　
やってる感の演出にしかみえないが・・・・。

今すべきことは次のフェーズ、感染者の検査と、感染拡大状況の把握、感染者はどこで治療を受けられるのか、治療の値段、家族はどう対処すべきか、一人暮らしの人はどうするべきか、などの情報が必要だと思うが、今になって「水際対策」だったら、症状がある人が検査が必要と言い出すのは5月ごろだろうか。

A首相、2月24日に「この１，2週間が山場」と言って、3月4日になっても「この１、２週間が山場」だとおっしゃっている。だったら4月になっても5月になっても「この１，2週間が山場」と吹いているだろう。それでもこの偉大な首相を持ち上げている人がいるという不思議・・・・

「風が吹けば桶屋が儲かる」というが、「コロナが吹けば紙がなくなる」ということを誰が予測できただろうか。
日本のスーパー、ドラッグストアでトレイレットペーパーがなくなっているというニュースを見た。それは日本だけでなくオーストラリアでもそうらしいが、これは一体どういうことなのか？　

マスクが買えなくなるというのはわかる。
タイでもコンビニでマスクが売り切れている。
最近のマスクは紙製だから、マスク以外の紙製品も手に入らなくなるだろうという恐れが、大衆をトイレットペーパー買いに向かわせたのだろうか。

バカバカしい。
心からバカバカしいと思う。

仮にトイレットペーパーなんかなくなっても、だからどうしたっていうんだ。
ケツぐらいペットボトル2本もあればきれいにできる。アジアの国のほとんどは紙で拭く文化ではなく水で洗う文化である。
水がどうしても抵抗あるなら、葉っぱでも何でも代用できるものがあるだろうし。
何をそんなに怯える必要があるのか。

科学技術立国を謳うニホンは、トイレを水洗便座にして、水洗便座を一般家庭に普及させ、「スゴイでしょ」って外国人に自慢するテレビ番組をさんざん見たが、なのに、それでも、なぜ今トイレットペーパーなのか？

教育ってなんなんだ？
どうしてトイレットペーパーがなくなるのか？
トイレットペーパーがなくなったら死ぬのか？
そんなことも考えられない教育だったなら、科学技術以前の問題だろう。
いや、科学技術そのものが人間をバカにしているのかもしれない。

日常生活が問題なく回転しているときは気づかないが、ちょっとシステムが回らなくなると、人間の素もしくは隠れている愚劣な面が出てくる。いまにコロナウィルスが怖いと言って、アルコール消毒剤を飲んで死ぬ民衆も出てくるだろうし、感染者差別や感染者家族差別も出てくるだろう。コロナ感染者が人混みに入っていく「コロナテロ」も起きるだろう。さらに翻って、「コロナは神様が愚かな人間を戒めるために作った」とコロナウィルスを讃える新興宗教も出てくるだろう。

政府はまだオリンピック開催といっているぐらい狂気だから、コロナ被災者の生活支援のため消費税を２０％増税と言い出すかも知れない。ウィルスは虚構と現実の狭間にある見えないものだから、愚策をすすめるためのツールとして悪用できる。

みなさん、もう巨大システムに頼った生き方から脱却して、自給自足の生き方に転換しないといけないと思いますよ。「大げさな」とおもわれるかもしれませんが。

ちなみにタイではトイレットペーパーは売り切れていない。普通だ。
タイのトイレは水洗文化だから、紙がなくなったところで、生活に支障がまったくないから。

高校生の学習指導要領の改訂。「論理国語」と「文学国語」に。
なんのことかわからない人がほとんどだと思うが、自分もまたなんのことかわからない。

論理国語の問題を作ってみる。

（問題）
2020年3月3日の国会における野党議員の質疑。
いま市場がマスク不足なので、国の備蓄しているマスクを出すよう促した。
「１０年前のものだとしても使ってくださいという指示を早急に政府としてやってください」

それに対する安倍首相の答弁。
「もしあれば使ったらいいのではないか、それは私もちょっと専門家に聞かなければわかりませんが、私もそういう印象をちょっと持ったのですが、１０年前のものが今どれぐらいあって、これが使用可能かどうかということについては、もう一度、厚労省のほうで調べさせていただきたいと思います」

安倍首相の意思・指示を選びなさい。
�@マスクを出すように対処する。
�Aマスクを出すつもりはない。
�Bそんなことおれに言われても困る。少なくともお前の指示で動くつもりはない。
�Cそんなことおれに言われても困る。厚労省の責任だ。

この問題を作って思ったが、安倍首相の答弁は論理ではない。もちろん文学でもない。これからわかることは、首相という仕事は、「詭弁国語」の習得が必要であること。役人は「詭弁国語を忖度する能力」が必要であること。

これを聞いた野党議員はどう理解したのだろうか？
これを聞いた厚労省はどう動くのだろうか？

国の日本語力が落ちているとしたら、それは教育の問題ではなく、国を運営する人たちの「道徳」の問題だと思う。

武漢から始まったとされる「新型コロナウィルス」、拡大の兆しを見せている。
『クルーズ船、乗客乗員3500人が待機を強いられている』というニュースであったり、武漢で取材していたジャーナリストは、動画をまじえて病院の惨状を報告していた。患者は長時間列に並んでも診察も治療も受けられない。医療関係者は疲弊して自身も感染し咳が止まらない症状が出ているが、診察も治療も受けられない。

日本も今後爆発的に増えていきそうだが、現場は対応できるのだろうか。
病気自体はそれほど恐れるものでもなさそうで、インフルエンザよりも致死率は低い。
が、患者が増えていったときパニックになりそうだ。
なぜか？
それは社会構造上の問題だから。

『一億総活躍社会』などというスローガンを振り回す政権。
その考え方のどこに愚かさがあるのか。
それは日常の生活が万事つつがなくスムーズに、高級時計の針のようにスーと回っているうちはいいが、緊急事態に陥ったとき全体が機能しなくなる。緊急事態、非常事態が想定されずに社会設計されているのが問題だ。無駄のない社会。無駄を含ませない社会。

アリ社会は、働かないグループが組織に組み込まれている。2割働き者グループがいて、6割ぼちぼち働いて、2割ダラダラグループがいる。緊急事態になったら、ダラダラグループが大活躍する。

アリですら緊急事態を踏まえて組織を作っているのに、高度なテクノロジーを有する万物の霊長ホモサピエンスは、『資本主義』に振り回されて金に目がくらみ、『一億総活躍』などと言い出した。「経済が回れば社会が回る」という思想のもと政治が行われているが、非常事態になったときその本質があらわになる。今後患者が千人、1万人、10万人と増えていったとき、誰がどこでどのように患者を収容し手当するのだろうか。どんな惨状になっても「オリンピックを成功させよう」というスローガンを叫んでいるのだろうか。

久しぶりの更新。
日本へ久しぶりに帰国していました。

テクノロジーの発展を謳う日本、便利・快適・享楽を追求していきたい社会、資本主義なのだからしょうがないのだが、そういったものにはまったく興味がなく、もっぱら自然の中を散歩の日々。いいものがたくさんあるのに放置されているものがたくさんあり、人のいないところに見どころが多い。特に気になったのが石碑や灯籠。


どこにでもあるような灯籠。気づかない人も多いと思うが、建てられた年月が刻んである。これをよく観てみると、

「天保」と書かれている。天保というのはほとんどの人が聞いたことがあると思う。天保の改革の天保。確か、漱石の「吾輩は猫」にも、「天保老人」と少し小馬鹿にされるお爺さんが出てくる。ちなみの漱石は慶応３年生まれ。（慶応は明治の前の元号で四年でお役目終了している）。

灯籠の世界では、明治、大正はまだまだ新参者。昭和では小僧扱い。平成になるとお乳を吸っている赤子である。やっぱり気合の入った江戸時代燈籠を見つけると、オッとなる。

延享の灯籠。


文政


寛延


享保


元号が平成から令和になり、一時元号騒ぎがあったが、これらの元号を古い順に並べられる人は少ないであろう。

文字は石に刻みつけるのだから半永久的に残っていくように思っていたが、これらの江戸時代の文字は風化してしまって見えないものが多い。書いてある漢字や言葉も現在では使われていないものがあり、現代人の無教養の小生には読めないし、理解ができない。言葉は不変のように考えている人も多いが、わずか200年ほどで「なんじゃこれ」となってしまうのである。正しい日本語と言っているが、移り変わっていく言葉を、正しい意味概念と規定することは、ある意味おかしなことかもしれない。現代人が使っている「マジ、ヤベー」なんかは文字表現するにはフワフワしていて落ち着きがなく、響きも下品な感じがするので、しばらくのうちに死語になるかと思うが、100年後の人は多分理解ができない言葉となるから、逆に貴重な表現なのかもしれない。

明治時代の灯籠に寄贈した人の名前が刻まれていたりするが、もちろんその人はもうこの世にはいないだろう。安価でないであろう灯籠をどういった気持ちで寄贈したのか、どういう生活をしていた人なのか、どういう気持で寄贈した灯籠を眺めたか、そもそそもトラックやクレーン車もない時代にどうやって重い灯籠を運んだのか、灯籠を観ているだけで妄想はどこまでも広がっていく。こうした灯籠の文字を読むことが、故人の供養をしているような気持ちにもなった。

いつも食べるカレー屋で、毎回カレーばかり食べているのだが、今回はさすがにカレーも飽きていたので、違うものを注文してみた。

「じゃあ、ラーメン・・・・」
店主の親父さんに告げる。

「しょうゆ、塩、味噌、どれにします？」
「うーん・・・・」
しばらく考え、
「味噌」
と言った。
スープに出汁がとられていなくとも、味噌さえ入っていれば成立するだろうと消極的な選択。

「チキンの照り焼き、とんかつ、エビフライ、魚フライ、どれをトッピングします？」
まだ、選ばなければならないらしい。
「うーん・・・・」
しばらく考え、
「魚フライ」
と言った。どれもパンチがきいていそうなので、一番大人しそうなものを選択。

しばらく待つとやってきた。
『秘伝・魚フライのせ味噌ラーメンInチェンマイ』


見た目的に箸がなかなか動かない。「エイ！」と食べてみたら、とりあえず喉に通った。ウマいとは言わないけど、マズイとも言わない。感想は「そうか・・・・、そうなのか・・・・」。天井を眺め、フーと深く息をつく。

老子曰く、「五味令人口爽（五味は人の口をたがわしむ）、味わい豊かな食事は人の味覚を鈍くする」

人生は修行です。勉強させてもらいました。みそラーメンに感謝。

以前、ツイッターか何かで、ふざけて冷蔵庫の中に入って自撮りして炎上した若者がいた。これからもそういう類のことは起こるであろうが、この程度のことで、怒りを顕にして大ニュースになってしまうのが「現代」という時代であろう。百年後の人が見たら、誰が悪いとか、そういう倫理観がまるっきり変わっていることだろう。

そんな人間社会を嘲笑うかのように、タイの猫が、顰蹙を買うであろう場所で悠々と寝ていた。

酷暑の季節、アイスクリームのガラスの上はひんやりして気持ちがいいのだろうか。

もう少し近づいてパシャリ。


スマホを近づけると、薄っすらと目を開けるが、「何だ、コイツは」と軽蔑の眼差しで一瞥し、また寝入ってしまった。

漱石風に表現するなら、
「吾輩は猫である。名前は、知らない。吾輩はここで初めてニホン人というものを見た。しかもあとで聞くとそれは人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。このニホン人というのは時々我々を捕まえて保健所というところで年間１万３千頭以上焼却処分をするという話である」

いい夢を見てください。

寝られんわ！