パン作りの重要な点、それは「水の量」である。2度の失敗によって2度の教訓を得た。レシピに従うでなく、状況を見ながら調整したほうがいい。だから小麦粉に水を入れる際、レンゲで一匙ずつ小麦粉に入れてかき混ぜ、ゆっくりゆっくり馴染ませていって水の量を調整した。その甲斐あって手を生地に突っ込んでもニチャニチャ引っ付かない硬さに調整することに成功した。3日目にしてようやくまな板の上に生地を載せて手でコネるという作業に到着した。
「やりたかったのは、コレだ、コレーー」
だが、コネ始めたが、どうもしっくりこない。なぜなら台が揺れて不安定だからだ。部屋にあるテーブルは折りたたみ式の簡易テーブル、両手で思い切り体重をかけると壊れそうで危うい。そこで化粧台の上を掃除し、そこにまな板を置いて場所移動。安定した上で再びコネを開始。
練っては伸ばし、練っては伸ばし、体力が要る。今度は水が少ないのか、伸ばすのが難しく、生地が「干し柿の表面」のように粉っぱい。水を少量加えながら調整しコネること30分、一応一次発酵の準備が整った。
ーー1時間の発酵タイム。
再びコネ回し、大きさを整えて鍋の上に載せた。今回は熱が全体にムラなく通るよう、細長の形を選択。イースト臭がしないよう念のため、もう一度1時間放置。それから焼きに入って25分、完成したパンがコレだ。

下にある丸い形のパンには、市場で買ってきたトンカツが入っている。いわゆるお惣菜パン。もうちょっとカッコよくいえば、ロシア料理の「ピロシキ」風。(ピロシキというハイカラな料理を食べたことはないが・・・。)他にもバナナを入れてやろうかなどといろいろ考えたが、まず、まともなパンが完成しないのに応用編に手を出すのは早計だろうと踏みとどまり、応用編はトンカツ入り一つにとどめた。
さあ、とにかく味である。
今回は水の量を抑えて十分コネた。バターも入れた。発酵時間も十分にとった。形を細くして熱が行き渡るようにした。もうスキはない。これで美味しくならないわけがないだろう。が、パッと見た感じ、「美味しそう」には見えない・・・。
さあ実食。
パクリーーと、ひと噛み。
「か、硬い・・・・」
やはり昨日までと同じように、外はカチカチであり、中はニチャニチャ。「ウーン・・・・」、ハッピーな気持ちになれない。
次にピロシキ一号。
フンワリしたパン生地だとトンカツも活きるだろうが、パンが硬くてコレもウーン・・・・。
結論ーー
パン作り修行、合格点ならず。
どうして何だろう・・・・。
小麦粉の問題なのかなあ。
翌日もソンクラーン休みで時間はあるが、残念ながらパン作りする気力はもう失った。まだ小麦粉は半分以上残っているが、どうやってもフワフワパンができそうな気がしない。それなら、最初から硬くなることを承知の上で「田舎風ビスケット」を作って、カチカチ感を楽しもうか。
しかし、どうして「バーン・ベーカリー(町のパン屋さん)」のパンはあんなに美味しいのか。長らくご無沙汰しているが、無性に美味しいパンが食べたくなってきた。
本日の名言。
「マズさを知って美味しさ知る。マズさがなければ美味しさもない」
勉強になりました。
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